2017年10月8日日曜日

隣町バー「火鉢」プレオープンしました!

真夏の七輪イベント終了から1ヶ月あまり。なんとその間に急展開がありまして、荏原中延の喫茶店・隣町珈琲で、営業終了後の18時以降をお借りして、隣町バー「火鉢」をやることになりました。

営業日は不定期で、週1〜2程度。
実はこのブログでの報告が遅れたのですが、昨日10月7日(土)初めてのバー営業を行わせていただきました。お客様は喫茶の方の常連さんが中心ではありましたが、7名の方に来ていただけました。
今後10月中はプレオープン期間として、週に1回、お試しにいろんな曜日で営業してみようと思っています。予定している営業日は以下の通りで、18時〜22時までの営業です。

10月10日(火)、19日(木)、24日(火)、30日(月)。

また、上記の日程以外でも、隣町珈琲のトークイベントの開催日などと重ならない日であれば、「この日に行きたい!」と日時をご指定の上ご予約下されば、私の身体が空いている限りはお受けして営業したいと思いますのでお気軽にご相談下さい。

ご連絡はFACEBOOKのメッセージやブログからのメール、TwitterのDMなどのほか、火曜から日曜の10~18時の間は隣町珈琲にお電話(03-6451-3943)頂いても結構です。昼間の店長にご希望を伝えていただければ、後ほど折り返します。私のその他の連絡先をご存知の方はそちらに連絡いただいても結構です。何卒よろしくお願い致します。

バー「火鉢」とはいっても、火鉢で炙ることがメインというわけではなく、あくまでも楽しく飲めるバーをめざします。炙ってもよし、炙らずともよし。というわけで、ミニ七輪は各テーブルにあるわけではなく、1個か2個、適当に置いときますので、適当にお使いください。

メニューは10月プレオープンの間に試行錯誤したいと思います。
しばらくそんな試行錯誤ときまぐれにお付き合い願えると幸いです。
知ってる人も知らない人も、炭火があればお友達。
楽しい会話から、さらに楽しい何かが生まれる場所になればいいなと思います。
隣町バー火鉢でお酒飲みながら、何か楽しいこと始めましょう!
では、よろしくおねがいいたします!!

隣町珈琲へのアクセスは以下のサイトをご覧ください。
http://www.tonarimachicafe.asia/



2017年9月27日水曜日

能登の七輪ご購入の皆様へ

能登の切り出しミニ七輪&網&敷板&炭&冊子「空飛ぶ火鉢」のセットをご購入の皆様。明日、七輪が東京に届く予定です。それから、炭と冊子を同梱して発送いたします。今月中には発送できるようがんばりますので、もう少々お待ち下さい!

皇居のお壕に彼岸花を撮りに行ったのだけれど・・・

(facebookページにもだいたい同じ原稿をアップしています。冒頭ちょっとだけ違います。)
「空飛ぶ火鉢」にも掲載している都心の自然を映した写真「東京花鳥風月」。先日、「もうひとつの世界」と題して写真展をやった不忍池の蓮の写真と並ぶ撮影場所が皇居のお壕の土手。四季の草花を撮り続けているが、初秋の曼珠沙華の写真がまだ撮れていなかった。それで、今年こそはと思い、台風が来る前(15日)に撮影に行ったのだが、望遠レンズを忘れ、遠くにある花を十分に撮れなかったので、あらためて、今日お壕に行ってみた。既に10日以上が経過し、その間に土手の自然は私が思っている以上に様変わりしていた。彼岸花は枯れさらばえて、老女の姿。足下には小さな秋の花が咲き始めている。

通りがかりの定年間近と思われるおじさまが、「彼岸花は本当にお彼岸までだよ。毎年必ずそう。」と声をかけて来た。さらに聞けば、今年は道端で動植物の死骸をよく見かけるという。そこから、ひとくさりの陰謀論。草食男子が増えているのは米軍機がホルモンを空からまいているからだとか、加計学園と731部隊は繋がっているだとか…。日が傾いて写真が撮れなくなるのでと、やんわり言葉を制すると、「夜の写真もいいもんだよ」と言って、去って行かれた。残念、私には夜の草花の写真を上手に撮れる腕も道具も無い。

 


皇居のお壕でジョギングもせず、カメラ覗いてしゃがんでいる姿というのはよほど変わり者に見えるのだろう。あらためて、リュックを背負って、パソコンバック斜めがけ、カメラを首からぶら下げた中年女の姿を思った。


とはいえ、自然が私たちに伝えるものは確かにあって、彼岸花が毎年、彼岸の頃には枯れてしまうこと、今年は動植物の死骸を良く見かけたということはあながち嘘でもないのだろう。




定期的に写真を撮っていると、その年の草木が発する勢いのようなものを漠然と感じる。原発事故後の夏から1年間はやたらともしゃもしゃ繁茂していたが、3年目4年目あたりは元気が無かった。上野公園の巨木が何本も積雪でまっぷたつに折れたのもその頃だ。それが何を意味するかはわからないし、たまたまなのかもしれないし、私の思い違いかもしれないけれど、植物だとて、環境の変化で元気にも病弱にもなるだろうし、言葉とは違う何かで私たちに訴えかけているのだろう。



今日、お壕に来る前、家でふと腹筋運動をしてみたら、起き上がることができなかった。確か、半年か1年前には起き上がれていた気がする。ショックを受けた。このところの体力の低下はこのせいなのかと思い当たった。少し、運動をしようと思った。


彼岸花は老いに向かう自らの姿を見せるため、今日、私を呼んだのかもしれない。枯れた彼岸花も美しい。しょぼくれずに老いることはできるのだ。それに、彼岸花は花が終わった後に緑の葉が伸びてくる。人生はこれからだったりもするのだ。








彼岸花の生える土手は彼岸か此岸か。
ま、どっちでもいいか。


2017年9月1日金曜日

「小倉トーストとほうじ茶の会」@上野ルートコモン(8月27日開催)終了 報告です!

上野ルートコモンでのイベント第2弾「小倉トーストとほうじ茶の会」無事終了しました。参加してくださった皆さん、ありがとうございました!
今回はパンを焼くだけでなく、ほうじ茶も焙じたため、炭火をキープするのが大変で、写真があまり撮れず、参加者の方撮影の写真も使わせていただいての報告です。写真に写ってない部分は想像で補って下さいませ!

今回は先週の洋風ブランチとは趣向を変えて、食パンを和風甘味風に食する小倉トーストと、焙烙でお茶を焙じるほうじ茶の会。ほかに、海苔トーストにも挑戦。梅干しも焼いて、焙じ茶に合わせました。その他、おまけで、奄美大島の島バナナを皮ごと焼いて一切れずつ。私のお気に入り、ドライのタマリンドもおつまみとして、そしてそして、わすれるところでしたよ!私の地元愛媛県は八幡浜市のすぐ近く、あの九州に向けた細長い佐田岬半島の原生林から取れる蜂蜜を試食していただきました。春に咲く花からとった春の蜂蜜と秋に咲く花からとった秋の蜂蜜。本当に春の味と秋の味がするから不思議です。春の味はなんとなくぼんやりと、秋の味は濃厚で、ああこれは秋だ!と舌が感じる味なのです。下手すると、今回の会で、この蜂蜜が一番反響が大きかったかも。
私たちは季節を視覚や聴覚、触覚だけでなく、味覚でもちゃんと認識していることを再確認しました。火鉢クラブはこういう季節の感じ方もどんどん紹介して行きたいと思っております!

というわけで、今回のメイン小倉トースト。餡は北海道は十勝の大納言小豆のゆで小豆を使いました。餡子でなくて、ゆで小豆があまり甘くなくていいのです。豆も大納言なので大粒。もっちり系のペリカンの食パンはゆで小豆の甘さによく合います。
トーストしたパンにバターをぬり、ゆで小豆と栗の甘露煮を乗せて、お好みでクロップドクリームをつけて食べます。


小倉トーストだけでは寂しいということで、今回は「海苔トースト」にも挑戦しました。海苔トーストはサクサクにしたかったので、10枚切りのパンを使いますが、上野駅中にあるアンデルセンの発酵熟成食パンの朝一番の焼きたてを10枚に切ってもらいました(ペリカンはカットサービスはやってないんですよね)。全粒粉やイギリスパンなどアンデルセンの幾つかの食事パンを食べ比べたのですが、海苔トーストの王道にはやはり最高級の食パン。ちょっとサクッとモチッとが合う気がしました。

海苔トーストはパンに醤油をちょっと垂らして(スプレーでかけると適度にかかります)から炭火で焙ります。しばらくすると醤油の焦げる香ばしいにおいがたまらない。パンにいい焦げ目がついたら片面にバターをぬり、サッと焙った海苔を乗せて、パンを2つに折って、海苔を挟んで食します。海苔と醤油が炭火で香ばしく香るのがたまらない。炭火ならではのトーストだと思います。でも、焼けた所の写真がないんですよね・・・。残念。


 そして、今回のもうひとつの目玉が「焙烙」。茎茶を焙烙で焙じて、焙じ茶をその場で作りました。

お茶を焙じると、部屋中にお茶のいい香りが漂い始めます。焙じ茶を味わうこと以上に、この茶香炉のごときアロマが心地よいのです。これこそ、茶を焙じる楽しみ!

出来上がった焙じ茶は炭火で焙った梅干しと一緒に。
風邪を引いた時に梅醤番茶を飲むと良いと言いますが、焼梅&焙じ茶も梅醤まではいかずとも、身体をあっためてくれそうです。焼けた梅干しは塩っぱさが凝縮され、表面が乾くので、指でつまんでチビチビ齧るのに最適。一粒でお茶が何杯もいけるお茶請けに。
梅干しの表面にできた小さな黒こげは、オヤジのおでこに出来た怒りマークみたいで、ちょっと可愛い。そんな愛らしくもあり、薬効もあるお茶請けで、心も身体もぽかぽかです。・・・って、今は真夏なんですけどね(汗)。でも、真夏の暑気払いにも成ったような気がします。塩分も不足しがちだから、ちょうどよかったかな。

そんなこんなで、10人の方に参加いただき、無事終了。

夏だから、暑かったわけですが、炭火をつけて感じる熱さは決して気持ちの悪い熱さではなく、多少、湿度が下がるのか、からっとした暑さに変わって、不快指数は下がってる感じがしました。

これから秋に向けて、十五夜のお月見の会とか、季節感のあるイベントを企画したいと思います。みなさまお楽しみに!






2017年8月26日土曜日

「下町サンデーブランチ会」@上野ルートコモン8月20日(日)開催報告


東上野にあるルートコモンで開催した「下町サンデーブランチ会」無事終了しました。
参加いただいたみなさまありがとうございました!
今回は浅草ペリカンのパンを能登の切り出し七輪で焼いて、谷中よみせ通りのコシヅカハムの名物コンビーフ、千駄木の写真館&カフェ ケープルヴィルのデリとともに楽しんでいただきました。

植物ショップとブックカフェが併設されたルートコモンのエントランス。
この素敵な入り口に今回は七輪を置いて火熾し。
ミスマッチな感じが意外とイケてませんか?

普段は「オーシャンサイドガーデン」として営業している植物ショップの方にこうして七輪を並べさせていただき、パンを焼きました。



焼き鳥などを焼くなら備長炭ですが、今回はすぐに焼けるパンなので、火力弱めのクヌギ炭。それも小さな炭を選びました。それでも、火の近い小さな七輪は結構すぐに焦げ目がつきます。あまりパンを分厚くすると、表面だけ焦げて、中は火が通っていないということになりかねないので、パンはあまり分厚くしないか、遠火でゆっくり焼くか。今回も思ったより、すぐに焼けてしまい、ちょっと焦げ目が濃くなりがちでした。

 


この辺がいい感じの焦げ目が付いた、うまく焼けた例でしょうか。



デリの内容は①レンコンとブルーベリーと生ハムのマリネに②クリームチーズに梅酒を混ぜたものとクリームチーズにスモークナッツとハーブを混ぜた2種類のパテ。現在、火鉢クラブの不忍池の蓮の写真展をやっていることもあり、蓮根のマリネにしました。これにバター付き。


そして、ブランチプレートができたら、ルートブックスのカウンターでアイスコーヒーを受け取り、ブックカフェスペースで思い思いにすごしていただきました。



あまり情報拡散できず、参加者が12名だったので、かえってゆっくり過ごしていただけたかなと思います。みなさん、炭火の楽しさもさることながら、ここルートコモンの素敵な空間にも大満足されていました。

今回はこのブランチのほか、お土産に冊子「空飛ぶ火鉢vol.1」と現在開催中の写真展「もうひとつの世界」で販売中の不忍池の写真のブックカバー1枚をつけました。また、写真はないのですが、竹炭のストローでアイスコーヒーを飲んでいただき、味が変わるかどうかを体験、そのままストローはお持ち帰りいただきました。
 


ところで、このイベントの3日後、衝撃のニュースが届きました。
なんと、ペリカンパンが28日にオープンさせるカフェのトーストが炭火焼で提供されるらしいのです。そのカフェのオープン前のお披露目会には女性誌などマスメディアが殺到。ちゃんとシェフまでいるお店とか。このハガキをもらった時、「この網目、もしや・・・」とは思っていたのですが、やはり炭火焼。

😱 ぎゃー! 強敵出現!と一旦は思ったのですが、よく考えてみれば、火鉢クラブの醍醐味は「自分で炭火で焼くこと」なので、あんまり関係ないかなあとか思いました。
プロのシェフが作る究極の美味しさを求めるのではなく、自分で炭火で焼く楽しさを知ってもらい、たまには焦がしたりしながら、それもまたひとつの美味しさよのお〜なんて自分を納得させながらの楽しい時間。バーベキューみたいに大掛かりではなく、手軽にちょっと焙る楽しさを感じてもらえたらと思います。

そして、自宅でもやってみたいなあと思ったら、能登のミニ七輪を購入して、ぜひいろいろ焼いてみてください!火鉢クラブのイベントはそういう日常の中の炭火生活への第一歩として炭火を体験していただく場だと考えています。

次回のイベントは同じ上野ルートコモンで8月27日(日)。
今回は小倉トーストと海苔トーストに挑戦。醤油と海苔の香ばしい匂いが漂う中、焙烙でお茶を報じて、ほうじ茶を作りたいと思います。今回の参加は締め切りましたが、次回のイベントぜひチェックしてください。炭火で焼くと美味しいパンを探す食べ比べなど、いろいろ構想中です!





2017年8月25日金曜日

オタクになれない火鉢クラブ

火鉢クラブなんてものをやってるくらいだから、火鉢オタクとか炭オタクなんてものを期待されるかもしれない。だけど、私は決して火鉢オタクとか炭オタクといえるほど、マニアではない。ただ、こんな文明の利器あふれる現代にあって、火鉢なんてモノをまだ使っているというだけだ。昔の家では普通にあった道具を今も使っているだけ。エアコンだって好きじゃないけど、今年の夏の暑さでは結構使ってるし、火鉢も毎日使ってるわけじゃない。こういう人はほかにも結構いるはずだ。

弱い、弱すぎる。

「これではメディアにもとりあげられないじゃないか!
誰もおもしろがってくれないじゃないか!
だから、なかなか広まらないし、全然お金にもならないんだよ!」
そう心の声がぶちぶちと愚痴を言う。

とはいえ、「火鉢」なんて日常使いの道具をそんなに特別視してマニアになってもしょうがないと思っているのも事実。だって、火鉢はただだまって部屋の隅に置いてあるのがいいんだから(隅でもないか…)。そもそも、そんな日常のことをイベントにしたり、なんだか特別なもののように扱うことが間違いなのかもしれない。ただ、今やそうでもしないと、本当に火鉢は絶滅してしまう。だから、こうしてイベントを考えたり、冊子を作って、火鉢を持ち上げている。

「マツコの知らない世界」に登場する人たちのように、物質的な極め方をしているわけじゃないから、非常に人にわかってもらいづらいし、面白くない。火鉢をコレクションしているわけでもなければ、炭の性質について、炭焼きさんより詳しいわけでもない。食材を焼く時の炭との距離とかを調べ尽くしているわけでもない。日常使うのに困らない程度に知っている。昔はそれは普通だった。ただ、今は「火鉢を使うと楽しいよ」ってことを言う人があんまりいないから、それを言う役を勝手に買って出てるだけなのだ。

テレビの仕事とかやってる立場からすると、「弱いね」とか「わかりづらいね」である。

でも、やはり火鉢は生活の中の一コマであって、それが生活の全てになるくらいオタクになってもしょうがない。いや、火鉢の使い勝手などを研究し尽くす人がいたとしたら、それはスゴいことだし、面白いけれど、私はそういう性質じゃないというだけのことだ。

なので、みなさま。
「火鉢楽しいですよ〜」とゆる〜く火鉢をお勧めし、火鉢が無くても、火鉢がある生活の豊かさに近い何かを感じてもらえたらいいなとか、そういうことを考えているのが火鉢クラブなのであります。今後もゆる〜くお付き合い下さい!

夜中に独り言ちてみました・・・




2017年8月23日水曜日

写真展「もうひとつの世界」上野不忍池 開催期間8月27日(日)まで延長!写真と小説のイメージを重ねた【名著と写真】のキャプション追加!「蜘蛛の糸」など

写真展「もうひとつの世界」上野不忍池の開催期間が8月27日(日)まで延長となりました!展覧会というものは開催中に徐々にバージョンアップしていくものだと今回実感しましたが、予定の開催終了日を過ぎ、延長となってからさらに展示を増やすという暴挙。

写真と小説のイメージを重ねた【名著と写真】のキャプション追加しました!
考えてみれば、小松左京の「物体O」だ!と思いながら撮った写真とか、極楽の蓮池のような美しい蓮の写真には「蜘蛛の糸」の冒頭とラストのシーンなども重なります。
「もうひとつの世界」というテーマから、いろんな本のタイトルも思い浮かびます。

そこでまずは、本のイメージと直結する写真から【名著と写真】と題して解説の短文を写真横に展示してみました。それをこちらのブログにも掲載します。
写真展は今週いっぱい。ぜひ足を伸ばしてみてください。


【名著と写真①芥川龍之介「蜘蛛の糸」に感じる違和感と蓮池の美しさ】



有名な「蜘蛛の糸」。冒頭とラストで、お釈迦様が独り極楽の蓮池のふちを歩いている。そして、その釈迦を描写する芥川の表現がずっと気になっている。まず冒頭・・・


「お釈迦様は極楽の蓮池のふちを独りでぶらぶらお歩きになっていらっしゃいました。」そして、ラスト「お釈迦様は(中略)またぶらぶらお歩きになり始めました。」
蓮池の蓮も再び地獄に落ちたカンダダのことなどに少しも頓着せず、いつもどおり美しく揺れている。

お釈迦様の歩く様子に、芥川はなぜ「ぶらぶら」という擬態語を使ったのか? 
仏にとって地上の我々のことなどぶらぶら散歩ついで、気まぐれで気にかける程度のものなのか…?
通常の解釈では、カンダダのエゴイスティックな振る舞いで蜘蛛の糸は切れたことになっているけれど、この「ぶらぶら」という表現から感じられるのは、善行を施していれば極楽へ行けたはずという分かりやすい生活訓などではない。

超然として完璧な仏の世界は決して私たち俗人の世界と交わることはないという非情な事実。世の中には決して交わることのない「もうひとつの世界」があるという現実ではないのか。美しいものを眺める時に感じる手の届かない悲しさ、手を伸ばそうとする愚かしさ。本当に悟りなど開けるのかという疑念と絶望。そんな俗人の絶望を前にしても、極楽の蓮池は超然と美しい。

この不忍池の蓮の写真、フィルターも使わず何の加工もしていないのに、まるでCGみたいに見えるのは、極楽の蓮がそもそも超然としているからなのかもしれない。そして、そうであっても私たちはやはり、そんな蓮池の美しさに憧れるのである。


以上が写真横に掲載した文章です。

ほかにも不忍池の水面に展開する多数の「もうひとつの世界」を展示中。
ぜひおいでください!