2011年12月19日月曜日

一日火鉢カフェ@谷根千「記憶の蔵」無事終了


本日の谷根千「記憶の蔵」での一日火鉢カフェ、無事終了しました​。
来ていただいたみなさま、ありがとうございました。
また、最初の方に来ていただいた方、準備が遅れて申し訳ありませんでした。

 今回の火鉢カフェ、蔵という窓の無い場所でやるということで、蔵の出口はずっと換気のため開け放っていましたが、部屋の中は​上着を脱いでも大丈夫な暖かさでした。
この蔵にはエアコンと床置きのファ​ンヒーターがあり、通常それをつけても寒いこともあるようですが​、今回エアコンは止め、開けっ放しの入り口付近の外気に近​いところだけファンヒーターを弱でつけたのですが、それで十分でした。みなさ​ん炭火の輻射熱の意外な暖かさに驚いていらっしゃいました。


 

焙烙(ほうろく)で焙じていただく定番のほうじ茶に、

愛媛県内子町小田の原木椎茸も健在。緑色のは青海苔入りのかき餅です。



また詳しい報告は後日。次回は1月後半にできればと考えています​。
とはいえ、またまた運営のどたばたで写真を思ったように撮れていない・・・。
というわけで、
とりいそぎ第一回終了の報告まで。

2011年12月14日水曜日

火鉢カフェ開催場所:谷根千「記憶の蔵」アクセス地図


12月18日(金)12時〜18時半(入店18時まで)

開催場所:谷根千「記憶の蔵」




上記地図のポイント「三河屋小林酒店」
 

三河屋の向かいの「ひろば」。ここを右折


「児童遊園」記憶の蔵はこの隣です。


「記憶の蔵」入り口。この「映画保存協会」のプレートが目印



お誘い合わせの上どうぞ。
なお、当日は「換気」のため、入り口の戸は閉めません。
寒がりの方は、上着を着たままどうぞ。

2011年12月10日土曜日

谷根千<記憶の蔵>にて「火鉢カフェ」開催します 12月18日(日)


日時 2011年12月18日(日)
昼12時〜夕方6時(最終入店)6時半閉店
        
 場所 谷根千<記憶の蔵> 
 文京区千駄木5−17−3

炭チャージ900円
         
  <料金に含まれる内容>
      *炭代:国産くぬぎ炭
(火力が弱いときはご自分で炭を継いでみてください)
      *ほうじ茶
      (ご自分で、焙烙を使って、火鉢の炭火で炒ってみてください)
      *けんけら炭の音体験(けんけら炭1本付)       
      *お餅&海苔 or 干物
       愛媛産原木椎茸1個
      *燗酒の試飲
    
収益の一部が<記憶の蔵>の維持保存協力金となります


<焙烙(ほうろく)>
  中に、お茶をいれて焙じたり、胡麻や豆を炒ったり


<愛媛県小田産・原木椎茸>
 *販売もあります

<けんけら炭>
火にくべると”けんけら”とかわいい音がします。五感で炭を楽しんで下さい。




   お誘い合わせの上、おいで下さい!






2011年11月7日月曜日

五感で楽しむ炭火「けんけら炭」の音

現在、次回の「火鉢カフェ」について構想中なのですが、炭を楽しむ基本に立ち戻り、「五感で楽しむ炭」というのはどうだろうと考えています。

五感・・・視覚、聴覚、味覚、嗅覚、触覚で楽しむ炭火です。

先日、千利休が茶事で使ったといわれる池田炭(菊炭)の産地に行ってきました。そこに、菊炭を焼く時に出るクヌギの枝炭で「けんけら炭」というのがあります。火が熾こる時に、けんけらというかわいい音がします。かすかな音ですが、空気が張り詰めた寒くて静かな朝、この炭がかわいい音をさせながら火が熾る様は、こころからほっとした気持ちにさせてくれます。温かさだけでなく、聴覚で楽しむ炭です。

けんけら炭の熾こる音、VTRで撮ったのでちょっと聞いてみて下さい。SANYOザクティで、特別なマイクなどつけずに撮ったので、音が小さいですが、静かな場所で耳を澄ませてみて下さい。


次回の火鉢カフェでは、このけんけら炭の音を生で聞いていただきながら、いつもの菊炭での火鉢も楽しんでいただく「五感で楽しむ炭火」をテーマにしたいと考えています。

視覚:菊炭の美しさ、それに赤々と火がついた美しさ。
聴覚:ぱちぱちと炭に火が付いていく音。
味覚:炭火で焼いた食べ物のおいしさ。
嗅覚:燃える炭のいい香り。
(バーベキューのときの臭い炭は不純物のまざった安い炭の臭い。国産の丁寧に焼かれた炭は、火をつけると炭特有のいい香りがします。炭火でお茶や胡麻を炒れば、香ばしいいい香りがします。)
触覚:もちろん火のついた炭は触れませんが、炭火の温かさは身体にも心地いい温かさ。まわりの空気の触感がやさしくなります。

炭に火をつけるだけで、そこにひとつの世界が生まれます。赤く燃える炭のそばに座り、眺めているだけで幸せな気分になってくるはずです。

音、赤い火、温かさ、炭の香り・・・。寒い朝、暖をとる。エアコンのスイッチを入れるのとくらべたらちょっと面倒だけれど、それで得られる心地よさと楽しさは格別です。

場所と日程は現在検討中。12月頭くらいに谷根千周辺で開催できればと考えております。






2011年10月24日月曜日

ご無沙汰しておりました 火鉢クラブ再始動!

お盆に開催しました火鉢クラブ納涼会後、ブログの更新が滞り、納涼会の報告もせず申し訳ありませんでした。やっと、このブログのヘッダーも、納涼会仕様から火鉢カフェ仕様に変わりました。

怒濤の納涼会準備の疲れが出てしまったのか、8月下旬より、以前より少しずつ症状が出ていた四十肩が急激にひどくなってしまい、夜も目が覚めてしまうような状態で、あまり多くの物事を処理する事ができませんでした。

それにしても、四十肩って思ったより大変ですね。服の脱ぎ着に時間がかかる、夜寝る時、痛くない角度を保つのが大変。パソコン使ってても、腕が痺れてくる・・・。私は野口整体に通っているのですが、そちらでも時を待つのみといったかんじ。また体験者のどなたに聞いても、時がくればけろっと治るよとおっしゃいます。ああ、はやくその「時」というのが来ないかなあ・・・。

納涼会終了から2ヶ月の間、身体活動は制限されるものの、なんとかかんとか、いつもの深夜高速バスにて、第二回茶の湯炭の世界全国大会in 京都にも参加したり、1日限りのプチ火鉢カフェを開催するなど、細々と活動は続けています。ただ、なんとか活動はこなせても、その先のブログのアップまで気力が保たなかった・・・。

納涼会で紹介した各工芸品の話も掲載すると言いながら、結局秋も深まってしまい、時期を外してしまいました。とほほです。まあ、時期を外したとはいえ、今後の活動の合間に、少しずつアップしたいと思います。よろしくおねがいします。

次回火鉢カフェは、いよいよ炭火にあたる本来の火鉢カフェを開催予定。
時期は11月後半を考えています。詳細決まりましたらこのブログにて告知します。
それ以前にも、また他のイベントにコラボする形でのプチ火鉢カフェなどもやるかもしれません。その時もブログ&ツイッター&facebookで告知します。

では、火鉢クラブ再始動!よろしくお願い致します。

2011年8月18日木曜日

「風を通す」 火鉢クラブ的納涼カフェ@市田邸パンフレットから

火鉢クラブ的納涼カフェの報告を少しずつ始めようと思います。
まず、最初は、会場で配ったパンフレットに掲載した文章を転載します。

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2011年8月17日水曜日

火鉢クラブ納涼会 8月15日に来られたお客様へ

8月13日から15日に開催した火鉢クラブ的納涼会@市田邸にいらしていただいた
お客様の中で、「ひやしあめ」をご購入いただき、「三島町の桐炭きりきりまい」を
お持ちいただいたお客様をお探ししております。
もしかしたら、購入いただいた「ひやしあめ」を袋に入れ忘れているかもしれません。
お心当たりの方がいらっしゃいましたら、
dejima2010@gmail.comまでご連絡いただけるとありがたいです。

ただちにお送り致します。
常設でないイベントですので、会期後の電話連絡先が無くご迷惑をおかけします。
何卒よろしくお願い致します。

2011年8月10日水曜日

火鉢クラブ的納涼カフェ@市田邸 設え紹介 油団(ゆとん)と奥会津編み組細工

納涼カフェのために市田邸に設えるものや、取り寄せる雑貨の紹介をこのブログで
もっと前からやる予定でしたが、少人数での準備のため、記事を書くまで手が回らず、
地方を廻ったときの記録は、納涼会後にお伝えすることになりそうです。
資金が無くて、深夜高速バスにて各地を廻ったので、「水戸黄門的深夜バス諸国漫遊記」
とでもいいたくなる四十路にはきつい旅でした。

とはいえ、少しでも事前に納涼会の中味をご紹介できればと思い、
とりあえず油団(ゆとん)と奥会津編み組細工の写真を一部紹介します。

こちらは油団を敷いた部屋です。(市田邸ではありません 参考写真です)

敷いてあるのが油団です。表具店で作られるもので、和紙で出来ています。
和紙を重ねて荏胡麻の油をしみ込ませます。もちろんベタベタなんてしてませんよ。
そこはいろいろ行程がありますが、それは次回以降に。

この油団は40年ぐらい経ったものということでしたが、大切に使えば100年保つそうです。
今回お借りする油団はまたこれとは違うもので、経年や汚れなども違っています。
この写真の油団はとてもよく手入れされているもので、毎年夏になると座敷に出して使わ
れてきたものです。ちゃんと使えば使うほどこんなにピカピカしてきます。
しかし、使わないで蔵にしまっといたりすると、油団はこんなにきれいにはなってくれず、
かえってヒビが入ったり痛んでしまいます。道具はやはり使わなければだめなのです。
現在、日本で唯一油団を作っている表具店、紅屋紅陽堂さんのもとには、こうした使わなくなって蔵で眠っている油団を引き取って欲しいという依頼が舞い込んできます。
今回お借りするのは、そうして引き取られた油団の1枚。
だからちょっと上の写真のようなピカピカというわけにはいかないんです。
ただ、顔が映り込むほどピカピカというわけにはいきませんが、
寝転ぶとヒンヤリする事は代わりありません。科学的な根拠は分かりませんが、
敷くと室温が1〜2℃下がるという、実験結果もあるそうです。

ところで、油団の厚みを見は、2〜3mm弱くらいあります。
これは10枚以上の和紙を重ねて張り合わせていったもの。
打ち刷毛という毛の硬い刷毛で上から叩く表具独特の技術で
作られます。油団の下の写真がもとの和紙です。


こんな和紙を、4畳半とか6畳分とか重ねて張るのですから大変な手間です。
現代社会ではなかなか割に合わない。それで、もはやこの油団を作っている表具店は
鯖江の紅屋紅陽堂さんだけになってしまったわけです。


続いては奥会津編み組細工

奥会津の三島町というところは、国の伝統工芸品にも指定された編み組細工の産地です。
こうした山ブドウのかごはデパートなどでもよく見かけますが、三島の編み組細工は
これだけではないのです。
 ヒロロやアカソなんて聞いた事無い素材のバッグもあります。
それがかわいいのです! 
お値段もけっこうするのですが、1つ作るのにかかる日数を聞いたらそれも納得です。
それに、持ち方によっては、ハイブランドの服との相性もいいのではないかと思います。
 もうひとつ、このマタタビで作ったざるも三島編み組細工の代表的製品です。
深さがいいですね。使い込むほどに飴色になってきます。
こうした自然素材のいいところは古くなればなるほど味が出てくるところ。
山ブドウからマタタビまで、どれもかなり長もちするそうです。
さっきの油団もそうでしたが、使い続けるほど美しく変化していき頑丈になる。
使う事が楽しみになる道具達です。

自然素材バッグ、雑貨のお好きな方、デパートなどで販売される価格よりは
かなりお安いはずです。ぜひご覧になりに納涼会においでください!





2011年7月28日木曜日

「火鉢クラブ的納涼カフェ」チラシです。参加工芸品一覧

火鉢クラブ的納涼カフェのチラシが出来ました。
このブログのサイズだと字が小さくて読みづらくて申し訳ありません。



裏側に、納涼カフェに登場する工芸品の一覧が出ていますが、
今後、少し増える可能性もあります。Tシャツの販売についてはhttp://dejimajapan.com

上記内容に少し説明を付けたものを以下のページに掲載しています。

みなさまお誘い合わせの上、おいで下さいませ。
お問い合わせは dejima2010@gmail.comまでお願いします。

よろしくお願いします。

2011年7月21日木曜日

火鉢クラブ的納涼カフェにて俳人・堀本裕樹さんの句会開催 参加者募集!


築100年の情緒あふれる民家で和の味覚を楽しみながら俳句デビューしませんか?
日経ビジネスアソシエ連載の気鋭の俳人・堀本裕樹さんが
初心者にもわかりやすく句会の楽しさを教えてくれます。
夏の夕べ、素敵な思い出を作りましょう!

俳人・堀本裕樹氏

火鉢クラブ主催「納涼火鉢カフェ句会」

* 開催日 : 2011年8月13日(土)
* 時 間 : 16:00〜18:30
* 場 所 : 市田邸 
東京都台東区上野桜木1-6-2 最寄駅JR上野駅/東京メトロ根津駅
* 参加費 : 3000円(飲み物、茶菓子込み)
☆お飲み物は下記カフェメニューより選べます
甘酒(愛媛県内子町酒六酒造)
飴湯
びわ茶
※その他、別料金でデザートもご注文いただけます

* 定 員 : 先着20名
* 持ち物 : 筆記用具、ノート(辞書・歳時記もあると便利です)

<お申込み方法>
下記1〜4項目をご記入のうえ、件名を「火鉢カフェ句会」
としていただきメール( haiku@advlife.com )にてお申込みください。
1:お名前(漢字・ひらがな)
2:ご住所
3:ご年齢
4:携帯電話番号または携帯メールアドレス

※ご注意:お支払い方法は現金のみ、クレジットカードは
ご利用いただけません。お支払いは当日窓口でスタッフ
にお支払いいただく形になります。

お申し込み後のキャンセルは8月10日までにお願いいたします。
8月10日以降のキャンセルにはキャンセル料1000円がかかります。
予めご了承くださいませ。

兼題(句のテーマ)
当日は下記3つのテーマより句を作りお持ちください。
(各句1句ずつ、最大3句)

テーマ1)風鈴

テーマ2)打水

テーマ3)自由題(季節の俳句を自由に)

それぞれ、一句(5・7・5)詠んでください。

初めて俳句をつくる方、上記のテーマに関する言葉が入り、
5・7・5でしたらどんな形でも結構です。
お気軽にご参加ください。
スタッフ一同みなさまにお会いできるのを楽しみにしております!


2011年7月13日水曜日

火鉢クラブ的 夏の納涼カフェ開催決定!@市田邸(上野桜木)

日時2011年8月13日(土)14日(日)15日(月)
                 午前10時〜20時(時間は変更になる可能性もあります)

日本の暮らしを考える火鉢クラブの夏の活動として、
台東区上野桜木の明治時代の民家「市田邸」にて、
納涼カフェを開催することとなりました。
市田邸は、日本の伝統建築保存のため、たいとう歴史都市研究会が
維持管理している建物です。
その市田邸の座敷、縁側、庭に日本の伝統的な夏の設えをして、
「日本の夏」の涼しさを五感で感じていただければと思います。

みなさんに本物の日本の夏を感じていただくため、
伝統の技術を受け継がれている職人の皆さんにご協力いただき、
素晴らしい夏の調度を現在準備中です。

また、今回設えられたもののほとんどは、
在庫のある物はその場で、また予約により購入が可能です。
火鉢カフェ的納涼カフェは、実際体験してみて購入する、
体験型のアンテナショップでもあります。

カフェに登場するものは、徐々にこのページで
紹介していきますのでご期待下さい。

たいとう都市歴史研究会の市田邸のページ
http://www.taireki.com/ichidatei/



2011年6月19日日曜日

洗濯機の寿命と娯楽としての手洗いのススメ

「火鉢クラブ」は、炭火に限らず、いろんな楽しい暮らしの提案をしていくつもり
ですが、まさに今日、自分の生活の中で、お、これ意外にイイかもって思う事があ
ったので、お伝えします。

「手洗い洗濯」です。

まずそもそもは、うちの洗濯機が壊れかけていることが事の発端。
もう20年近く使っている洗濯機なのですが、とうとうその寿命を迎えようとして
いるのか、今朝はどうしても動かなかったのです。いつもは、いろんなボタンを闇
雲に押していると動き出したりするのですが、今朝はピクリ、くらいで止まってし
まう。ただ、完全に動かなくなったわけではないようで、また気まぐれに動き出す
かもしれない気配でした。

この洗濯機、もう1年くらいずっと調子が悪いのです。
全自動なんかとっくのとうにできなくて、洗濯、すすぎ、脱水その都度止まっては、
スイッチを入れ直しに行っていました。最近では、年老いた人のように、陽気のい
い時には動くけれど、寒さで縮こまる日には、ボタンを押してもピクリともしない
いう日が続いていました。それでも、適当にいろんなボタンを無造作に押してい
たりすると、突然動き出して洗濯を全うする事ができました。
全自動洗濯機のくせに、2層式なんかよりもずーっと、洗濯機の側にいる時間が長
いという、不思議な1層式でした。

持ち主が買い替えを考え始めるとパソコンが自ら壊れてしまう事がよくあるといい
ますが、洗濯機も歳を取るほど人間のような動きをするのかなあとしみじみ
今日の調子はどうだろうか。ちょっと寒いけど今日は動いてくれるだろうか。気温
や湿度を気にしながら、ふつうなら買い替えるであろうめちゃめちゃ調子の悪い洗
濯機を使い続けてきたわけです。普段動かない分動いた時は嬉しいし、すごく年寄
なのに今日はがんばってるわと思ったりして、どうも買い替える気になれません
でしたこのところの経済状態では買い替えるのもままならないというのもあっ
のですが・・・。

にしても、新しい洗濯機も買わない、今の洗濯機も動かない。
ではどうするか。

コインランドリーに行ってみたら、なんと今日に限っていっぱいでした。
それではたと思いついたのが「手洗い」です。

「そーだ、手洗いしよう!」

時間がかかるとはいっても、コインランドリーを行き来する時間を考えたら、
かかる時間は実質は変わらないはず。それに、手洗いって、結構運動になるのでは
ないだろうか。そう思ったのでした。

考えてみれば、常々私は、家事を楽にして時間を作って、その時間でスポーツジム
に行ったりする事にやや違和感を感じていました。
いろんな家電製品のおかげで家事は随分楽になったけれど、そのせいで脳みそしか
動かさないという人が増えた。そして、それでは身体がなまると、現代人はせっせ
とスポーツジムの動く道路で走っているのです。
そんなこと言ってる私も、一時期スポーツジムに通ったことがあります。
しかし、走っても走っても変わらない都会の夜景を見下ろしながら、風も感じず、
動く歩道の上を走る自分にはなにか違和感がありました。かつては体育館や運動場で
土ぼこりや汗にまみれてやっていた運動を、ジャグジー付きのサロンみたいなところ
でやるってことに対し、セレブでもないのになにか勘違いをしてない?似合ってない
よという言葉が脳裏をよぎりました。しかしいちばんの違和感は、忙しい忙しいとい
いながら、家事という運動を家電というロボットにまかせてジムに通うという本末転
ではなかったかと思います(ただ、プールで泳ぐのはちょっと別物かなと思います)。
もちろん、身体が動かなくなってきたら、電化製品に頼らねばならないし、家事家電
が無くていいと言うわけではありません。それに、若い人にも「使うな」というわけ
じゃない。私だって使ってますし。
家電を使う事で得ているもの、また失っているものは何かということを、ちょっと意
識してみてもいいんじゃないだろうかと思ったのでした。

まあ、そんなこんなで、
この際、汗かきながら洗濯やってみるのもよかろうと思ったわけなのです。
実際には、ふと「やってみよう!」と思っただけで、その一瞬の脳の動きを、後から
説明すれば、以上のようになるというだけのことです。長々すいません。

というわけで、早速手洗いしてみようということにしたのですが、といっても、
うちには洗面器しかありません。
やはり、本格的に手洗いするとなるとたらいが必要です。そこで、早速その足で、
近所の荒物屋にたらいを買いに行きました。こういうときに、歩いて行ける範囲に
荒物屋なるクラシックなものがあるこの谷根千地域の環境に感謝です。

せっかくだから、気分を出そうと思って、トタンの金だらいを購入。
ドリフのコントで上から落ちてきていたアレです。
ただ、あまり大きいと置く場所もないので、やや小さめ。
それと、洗濯板も買いました。なんだかんだいってまだ売ってはいるのです。
子どもの靴下の泥汚れなどを落とすため、小さい洗濯板を買ってく人が時々いるんだとか。
私が嫁入りする時はこの金だらいと洗濯板を持ってきたもんよと言ってた店のおばちゃん
は、今年78歳だそうです(70そこそこにしか見えないのですが)。

ところで、この金だらい、直径48cmの大きさで2800円でした。
ちなみに洗濯板は1800円
高いと思うか安いと思うかは人によって違うんでしょうが、
同じくらいの大きさのよくあるブルーのポリのたらいが1200円。
洗濯に使うってことだけ考えると倍以上する金だらいは高い気もしますが、
このビジュアルだと、夏、氷水を貼ってスイカやキュウリを浮かべたりしてもイケル感じ。
今後の火鉢クラブの活動を考えたら、断然金だらいの方が用途が多く、お得であるに違い
ない(実際のイベントのときにはちゃんと新しいヤツ使いますよ!)。
というわけで、ポリではなくトタンの金だらいにしました。

ちなみに、この金だらいを作っている会社。
写真のたらいの真ん中に「DOIAEN」と書いてあるのですが、多分これ「土井亜鉛」で、
「土井金属化成株式会社」http://www.d-k-k.jp/index.htmlというところのもののようです。

とあるサイトの情報だと日本で唯一残る金だらいメーカーということですが、ググると
ほかにも金だらいを作っている会社はあるようです。しかし、写真を見ると、金だらい
でも素材が違っているようで、こういうドリフのコントに出てきたようなトタンの金だ
らいを作っている会社はここだけってことなのでしょうか?要リサーチですわ。


ということで、風呂場で洗濯開始。
石鹸はカネヨの純石鹸分98%の洗濯石けんで環境にもgood。1個120円

たまっていた靴下15足ほか、綿シャツ5枚、パーカーなど洗いましたです。
斜めに置いた洗濯板は思いのほか使い勝手がいい。
左手でつかんで右手でごしごしってやっていましたが、運動の意味も考えて、
左手でもごしごしやってみました。なんだか腕の運動になってる気がする〜。

実は、私は昔から腕力と握力が弱いのです。
学生時代スポーツは得意な方で、体力測定の数値もほとんどの項目で平均を上回
っていました。しかし、なぜかボール投げが苦手で、握力にいたっては平均25~
26くらいのところ、私は20いかなかったんじゃないかと記憶しています。
崖から落ちそうになっても枝にもつかまれない、サバイバル能力が低い身体なんだ
という認識がどっかでずーっとありました。

それが、洗いからすすぎを経て、靴下3本を一度にぐっと絞ったとき、握力が鍛え
れるのを実感!これは、一石二鳥。なんだか、二の腕にも力がかかっているし、
思ったよりいい運動です。これはまじに、手洗い続けたら、握力が強くなってくかも
と思いました。また、お湯を使ってるから、ホットヨガをやっるみたいで、結構汗
も出ます。お風呂に入ったとき一緒に洗ってしまえば、汗もいっしょに流せます。

運動になるだけじゃありません。
洗濯物をバシャバシャすすいで、水がだんだん濁って、水を変え、次第に澄んで行く。
桶に手を突っ込んで、どういう風に洗濯物を揺すれば、もっとも泡が早く落ちて行くか、
小刻みに手の平を動かしてみたり、洗濯物をつかみ洗いしてみたり。
いつもは洗濯機が勝手にやってる事を、自分の目で見て手を使って、より効率的にやろう
とするのは結構楽しい体験でした。

ただ、ちょっと大きなものは絞るのが大変。特にパイル地のパーカーみたいなものは
水をよく含むので、スゴく重くて脱水機が欲しくなります。

まあ、洗濯機が復帰したら、脱水だけは脱水機でやってもいいかもな。
 一張羅のシャツも手洗いしました。ドライマークがついてるのもあったけど、自己責任ざんすw
こういう綿シャツは手で絞るとシワシワになりますし、もしかしたら、
絞らずに水浸しで吊るしとくという手もあったかもしれません。

 手洗いマークをまさに手洗い!なんて思ったけど、最近の手洗いマークは洗濯機の手洗いコースを
想定してるんでしょうか?本当の手洗いは、結構摩擦もスゴいと思うからな・・・。


あんまり、手洗いだけにこだわる事も無く、ゆる〜く手洗いを楽しむ感じが
長続きの秘訣かなとも思います。まあ、私はしばらく洗濯機を買わないと思うので、
洗濯機の機嫌が直って動き出したら、脱水は洗濯機でやろうかなと思いますが、
大抵のお宅の洗濯機は元気でしょうから、この手洗い洗濯、気分転換として、
たまにやってみるってのはどうでしょう。「娯楽としての手洗い洗濯」でしょうか。
庭があるお宅やベランダが広いお宅なら、天気がいい日は、庭にたらいを出して
バシャバシャやるともっと気持ちいいと思います。

固形石鹸で洗うと泡切れもよく、水もそんなに使いませんし、節電にもなります。
いろんな意味で一石二鳥だとも思います。

せっかく私たち人類が開発した文明の利器。まったく否定する必要はないと思います。
実際、洗濯機というのは、お母さんの腰痛も減らしただろうし、腰の曲がったおじい
ちゃんおばあちゃんでも使えるし、かなり優れものだと思います。

その機械達に自分の仕事を肩代わりしてもらった代わりに、私たちは何を得ているのか、
その得たものは価値あるものなのか、はたまた何を失っているのかを意識しながら、
機械を使おうよってことだと洗濯しながら思いました。


たまの手洗い、水遊びでもあり、洗い上がるという達成感もあって、結構おすすめです。


2011年6月1日水曜日

私が「火鉢クラブ」をはじめた理由〜実家の長屋の思い出

テレビの仕事を辞めることを決めた去年の3月。かなりぶっちゃけた内容のブログ記事を書いていた。
そのひとつに、私の「住宅」に対する思いを書いたものがある。
入り口は、収入が無くなるのに伴って、自らの住宅ローンをモラトリアムしてもらう話であるが、
その住宅ローンを組んで建て替えた田舎の実家への思い入れと壊した古い家への思い出を
延々書いている。ボロいけど、季節とともにある住宅であった。
この思いが、私がこの「火鉢クラブ」を始めた根っこにある。

去年までやっていた報道番組のディレクターという仕事も、自分にとって大切な仕事であったが、
「報道」とは何かという認識が、結局は今のテレビとズレていて、続けるのが辛くなった。
私にとっての報道は「人の暮らし」である。
快適な家に住む、美味しく安全な食べ物を食べる・・・、それを阻むものが何であるのか。
一見私たちを守っているかに見える政治や法律が、
実は見えないところでそんな小さな幸せを阻んでいる。
それが見える形で、それも最悪の形で表れたのが今回の原発事故だ。
実は見えないところで、今回の悪夢は準備されていた。
生活実感からは乖離した報道が、そんな水面下の悪夢に気づかせなかったんだと思う。

ニュースが伝える大事件の数々。
なぜ原発が誘致され続けたのか、なぜ耐震偽装問題が起こったか、冤罪はくりかえされるのか、
それを発見する鍵は、自分の生活の中のちょっとした事象に実は垣間見えている。
それが見えないのは、ちょっとした違和感や疑問を見て見ぬ振りをしてやり過ごすことに
慣れっこになっているからだ。
それは、ちょうど、空調の整った住環境に慣れっこになって、
本来の季節のすばらしさを忘れ去ってしまっている私たち現代人のあり方に似ている。
季節感を取り戻し、季節の変わり目にふと気づく、そんな感性と身体性を取り戻すことが
人為的な悪夢の到来を予測する直感を育てることにもなるのではないかと信じている。

そして、私自身ずっと原発はやめるべきと思ってきたのも、
もちろん自分の実家の20キロ圏内に原発が存在することもあるが、
やはり、小さい頃、ボロい我が家で体験した、季節を感じる暮らしのせいだと思っている。

そこで、今回は、ちょっと長くなるが、この「火鉢クラブ」設立の元となった、
今はなき(建て替わりました)、実家の話を書いた、去年のブログをもうひとつのブログの方から
転載したいと思う。住環境の話だけではなく、地域のつながりや場所に関係した話もほんのちょっと
ではあるが入っている。そのへんも「火鉢クラブ」が考えていることの範囲である。
以前、読んだことのある方は飛ばしてチョ。

以下、「What is value?価値って・・・ナンシー関のいない世界で」よりの転載です。

2010年3月14日「住宅ローンモラトリアム。そして、日本の家と私の野望(笑)」

(最初の方すこし略します)*途中少してにおは直したり、書き直してます。元のブログはもとのママ

これまでのブログにも書いていますが、私は親が住んでいる実家の住宅ローンを抱えていて、
仕事を辞めるにあたって、それ以後返済をモラトリアムしてもらえないかと思っています。
私が借りているのは、地方銀行ですが、さて、どういう対応に出るのやら。
相談に行くのは4月に入ってからになりそうですが、
ちょっと電話で探りを入れてみようかなあ。

お前が分不相応に家なんか建てるからダメなんだろという方もいらっしゃるかもしれないので、
言い訳がましくも、一応断っておこうと思うのですが、
この住宅ローンはやむない事情で組んだのです。

親が暮らしている実家は、本当に古い家で、明治時代に建った商店街の長屋の一軒だったのですが、
周りの家がだんだん切り離して建て替えていく中で、支えを無くしたこともあってか、
一部土壁は崩れ、本当に地震でもあったらやばいぞってことになっており、
父母は日々不安のうちにその家で暮らしておりました。
お金がなくて、それまであまり修理できなかったのもあります。
雨漏りなどもあり、本当にどうにかせねばという状態が続く中、
とりあえずリフォームの相談をしてみたところ、これはもう建て替えないとダメだよと
知り合いの大工さんにも宣言されたようです。
両親もボロい家で暮らす事はやぶさかではなかったのですが、危険と隣り合わせとなり、
どうしようと悩んでいたようです。

しかし、シャッター商店街となりはてた地方の商店街で、
表具店なんていまどき田舎での需要はのぞめないクラシックな商売をやっている両親に
そんなお金はなく、困っていたところに、たまたま出入りの銀行が
「住宅ローン借りませんか」という話をもってきたのですね。
でも、返済能力のない両親に借りられるはずもなく、私のところにお鉢がまわってきました。

年取った両親に今から東京出てこいと言うのも酷だし、もし実家を畳んで、
東京で広い部屋に越したとしても、家賃が激上がりするか、遠くに離れるかどちらか。
それに、細々とはいえ、お店を開けておく事で社会とのつながりを保って生活している両親から
それを奪う事は、生きる張りを奪うようなものでしょう。
また、当時丁度、不景気のおかげなんでしょうか、
私のような、テレビ局で契約で働く保証のないものでも、
奇跡的に住宅ローンを組む事ができたのです(しかし、結局ローンを組んだのは最初に話しを
もちかけた銀行とは違う所になったのですが)。

で、今の実家が完成し、25年の住宅ローンを払い始めました。
払い始めてもう6年になります。
そんなわけで、不可抗力により組まざるを得なかった住宅ローンです。
どなた様も銀行様も、こんな景気の悪いおり、たった1年待ってくれという私の願いを
聞いてくれたってバチは当たんないでしょ、と思うのですがいかがざんしょ。

ところで、当初の住宅ローンモラトリアムとはちょっと話がずれますが、
ここで、この実家の話を少し聞いてもらえますでしょうか。

というのも、この、家に対する思いが、私が仕事を辞めて今後やろうとしていることにも、
間接的に関係があるからです。

ローンを組んで新しく建てた実家は、資金不足で、狭い上に、
建材などの部分で妥協の産物でもありますが、
暮らしやすい家になったと、自分では結構気に入っています。
店舗の裏側に居間があって、その奥に壷庭があります。いわゆる町家風のつくりです。
居間と廊下と台所と風呂場が庭を囲んでいて、どこにいても庭が見えます。
狭い庭にはいろんな植物が己生えに茂っていて、ちょっと野山を切り取って来た風情。
腰高の風呂の窓を開けると庭に面した露天風呂気分。空を見上げれば時には月も見えます。
昔の家からとっておいた沓脱ぎ石は縁側代わりの廊下の前に置かれていて、
廊下に座ってぼーっとできます。
居間のサッシの内側の障子は雪見のガラス障子です。
建材などは、カタログから選ぶセミオーダー形式で、
窓は普通にサッシ(アーケード商店街は消防法で防火ガラスのサッシにしないと違法なのです)、
町家風とはいっても、予算と面積の制約で、京都の町家とは似て非なるものではありますが・・。

今はこの家に満足していますが、昨今の家の標準的スタイルであるLDKな間取りと違う
こうした家を作る事は結構大変な作業でした。
最初に設計士さんから出されたプランは、店舗の奥のドアを開けると、すぐ廊下があって、
廊下の途中にトイレ、その先にキッチンと居間があり、
その先に裏通りに面した小さい庭があるというもので、
店舗にちょうど2LDKの家をくっつけた感じでした。
しかし、町家の作りでは、多分、店舗のすぐ裏は、ちょっとした部屋(玄関間)があるはずです。
店番してる時ちょっと中に引っ込んでも、
「ごめん下さい」という声が聞こえる位置に部屋がなくてはいけない。
田舎の表具店なんて、いつも店に誰かいる訳じゃないですから。お昼ご飯食べるときは引っ込む。
そういう時のために店のすぐ裏に部屋が必要なんです。
いつでも店番置いてちゃんと商売している今時のお店はそんなことないのかもしれません。
そういうちゃんとしたお店なら、近くにあるのはトイレだけでいいのでしょう。
しかし、年寄り2人の、人もそれほど訪れない店には、こうした仕様が使い勝手がいい。

ながながくどくど説明しましたが、これを設計士さんに分かってもらうのは実は比較的容易でした。
それよりも難しかったのは、昔の家のいい部分を残したいという漠然とした希望を伝える事です。
私の主観的な家への思い入れや思い出などが入り混じって、
それをどう説明してどう具体的設計にしてもらえばいいものかが分かりませんでした。

実のところ、壊してしまった昔の家、それをそのまま再現したかったのが本音です。
昔の家は、先にも述べましたが、いわゆる町家の作りで、土間があって、
家の真ん中に小さい壷庭がありました。
庭に面した部屋は表面に歪みのある、昔の流れるようなガラスの入ったガラス戸で囲まれていました。階段は箱階段、風呂は五右衛門風呂、
台所は(釜屋と呼んでいましたが)一旦靴を履いて下に降りる土間でした。
そういえば和式便器も白ではなく、伊万里風の青い画が描かれたものでした。
また、これが子ども心に一番グッと来てたのですが、物干に繋がる木の雨戸には、
小さな木の節穴があって、晴れた日に雨戸と内側の障子を一緒に閉めると、節穴から光が入り、
ピンホールカメラになって、障子のスクリーンに外の景色が逆さに映るのでした。
また、物干から屋根に登って何度も夕焼けも眺めました。
瓦と瓦の隙間には雑草が顔をのぞかせています。
そこから眺める西の空を鳶が行く様は、私にとっての枕草子の雁の様です。思い出すと涙・・。

住んでいた当時は、もう古いボロ屋で、人を呼ぶのも恥ずかしく、
自慢など決してできなかった家ではありますが、
ほかにも、挙げだしたらきりがないほどいろんな思い出が詰まっていました。

物理的にそのまま再現するのは資金的に全然無理です。
面積からして土間も諦めなくてはならないでしょう。
では、そんな気分だけでも再現できる家はどうやれば作れるのか?
夏休みを家の打ち合わせにあて、実家に帰り考えました。

方眼紙に自分で素人なりの設計図を書いて試行錯誤です。
長屋を切り離すので、間口が片側50cm計1mも狭くなり、建坪も以前よりずっと狭くなります。
そのため、当初は、昔の家と同じ間取りで、真ん中に壷庭をとる発想は私にもありませんでした。
裏庭でもいいやと思っていたのです。
しかし、実際に設計士さんから提示された間取りから見えてくる生活は、
どうしてもしっくり来ませんでした。
店舗のすぐ裏に部屋がひとつあって、ダイニングキッチンがあって
再奥に庭があるのが何故ダメなのか?

帰郷から何日目だったか、家の向かいの道を登っていったところにある
かつては金比羅様の祀られる本殿のあった場所から商店街を見下ろしていたときのことでした。
「やはり部屋は狭くなってしまうけど、家の真ん中に壷庭つくるしかないなあ」とふと思ったのです。

うちの家が、貧しいながらも、最終的に殺伐としなかったのは、家のど真ん中に庭があったからだ、
その時そう思いました。
そして、それを裏付けるシーンが頭の中に浮かんできました。
大学で東京に行くまでの私は、
よく、庭で地面に向かって蟻の行列にすいかの欠片を落としてやったりしていました。
反対に空も見上げていました。
特に思い出に残っているのが、夜トイレに行く時に内庭に面した廊下から見上げた月や星座です。
闇の怖さも覚えています。時には野良猫が侵入しどきりとする事もありました。
トイレ(ご不浄)は外に面してないとだめなのです(って決めつけ過ぎw)。
水回りはすべて庭に面してる、つまり半分外にあるのが、生活の基本だったことを再認識しました。
そういえば、母は洗濯機も外に置く派です。

当時は部屋にいるときも台所でも風呂でもトイレでも、一日中何をしている時でも、
外とつながって日常を過ごしていました。アーケード商店街という町中に住んでいても、
この小さい庭が家の内部にあり、向かいの鎮守には大きな楠木が茂り、秋には葉っぱでたき火をして、
木にまたがった。そういう風に四季を感じる事が、お金がないということを私の中で
決定的な問題にしなかったのではないかと思えてなりません。

家の中の全ての場所から見える庭。今の建築の主流がどうであろうと、部屋が狭くなろうと、
そういう自分の家族の暮らし方の基本だけは崩してはいけないだろうと、その時気付きました。
夕焼け空の下、今は廃墟になってしまった鎮守の崩れ落ちた狛犬の横で
アーケード街を見下ろしながら、やっぱり家の真ん中に壷庭をつくることに決めました。
そして、その後、それを基準にしてすべてを決めました。居間などの住居部分は狭くなってしまい、
ちゃんとした客間も無いような家ですが、商店ですから、人がくれば店で話をしてますし、
両親はこの家に満足しているようです。

長くなりついでにもうちょっと話すと、この家は、もともと真ん中の壷庭をはさんでお店のある
表が2階建て、母屋のある裏が3階建てでした。木造の3階建てです。
しかし、家業が傾いて来たために、私が生まれる前に裏の3階は他人の手に渡ってしまい、
広かっただろう庭には仕切りの塀が作られていました。
今回老朽化を理由に、この他人の手に渡った3階も取り壊し駐車場になりました。
父が小さい頃には、まだこの木造3階はうちのもので、曾祖母らが3階の座敷で映っている写真も
あるのですが、この3階というのが、サンルームのようにガラス戸が入っていて、
私は一度そこに行きたくてしょうがありませんでした。
曾祖父の時代は、茶懐石などもそこでやってたなどという話を聞かされた日にはなおさらでした。
でも、そこを買い取った人の家とは仲があまり良くなくて、私は一度もその3階には行けぬまま、
家の最後を看取ったのです。
しかも、家を壊す時、持ち主からいろいろ難癖を付けられ、
結局裏の3階の解体費用と駐車場にする費用は私が出しました。本当に私が最後を看取りました。
そんなこともあったからでしょうか、私の密かな野望の中には、ゆくゆくは裏の土地を買い戻して
3階木造を建ててみたいというものもあったりします。

原体験としてこんな住宅体験をしているために、
私はどうしても昨今のフローリングのマンションは
買う気になれず、東京で築40年の賃貸ボロマンションに住んでいます
(地震が来たらかなりヤバいです)。←今本当にヤバいことになってます!どうなる私!
そのかわり都心なのに周りの環境は最高です。春は近くで桜が舞います。

さらには、「木造4階建てマンションを建てて母子家庭向けの格安NPO不動産をやって、
そこの最上階に住むんだあ」とか、「やっぱり日本の家には借景が必要なのよ」とか、
贅沢かつ妄想めいたことを日々口にして、たぶん、多くの人にあきれられています。
でも、できる事ならばいつか、日本の風土に合った本当に心地よい家というものを作ってみたいです。
自分のためでなくてもいいし、高価なものである必要もありません。

妄想ついでに、最後にだめ押しすると、
今回住宅ローンモラトリアムを申し込んでまで、私が今の仕事を辞めて新しい道に進むのは、
以上のような野望を達成するための一歩という意味も無くはないのです。

(最後ちょっと略)

転載ここまで>>>

1年前にこんなことを書いていました。
その後1年間、会社に行く代わりに、地元の町で暮らし、地方に行き、いろんなことを考えました。
冬からは、実験的に「火鉢カフェ」を開催し、まだ少しですが、理解して下さる方も増えてきました。
このへんで、本格的な活動を開始しようと思っています。
このところ、あらためて「炭」のスゴさも実感していますし。

具体的な活動の告知をしていきますので今後ともよろしくお願い致します。

2011年5月31日火曜日

今年は国際森林年:「森林本2011」って本作りませんか?眠ってた企画書

この火鉢クラブをやってる出島プロジェクトのブログhttp://www.dejima2010.com/には、
「森林本2011」という頁があります。
もっと木を使う暮らしを進めましょってコンセプトで、
このタイトルの本を作りたいと思い、この頁を作りました。
しかし、その後、私の生活も逼迫し、売れるかどうか分からない本の企画を
売り込んでる余裕が無くなってしまい放置状態になってしまっていました。
それに、冬場の木に関する活動は、この火鉢クラブの炭の活動に限定されてしまってたため、
今年国際森林年が半分終わろうとしている今の今まで、
この森林本企画は、顧みられなかったわけです。
ここらへんで、木も炭も森関連の活動はこちら火鉢クラブに集約しようと思い、
森林本2011の企画書をこちらに転載することにしました。
箇条書きのもくじを並べただけのへぼい企画書ですが、
興味ある方はご連絡下さい。dejima2010@gmail.com
字だけじゃ分かりづらいですが、天然生活風のグラビア入れた美しいムック本つうか、
写真で出てる商品はどこで購入出来るかを明記した、暮らしと社会派が共存した本に
ならないかなあと素人な発想をしております。
ただ、その後も生活は逼迫続きで、地震の影響モロ受けで、明日をもしれぬ身。
余裕がないのは当時と変わりません(泣)。
ただ、現在は「火鉢クラブ本」が先かと思ったりしてますが、
まあ、国際森林年内に限らずとも、来年でも、長い目で取材したいテーマであります。
本にせずとも、このブログのカテゴリとして「森林本2011」とりあえず追加します。
というわけで「森林本2011」企画書、前口上からです!

森林本とは何か?
        〜森と木がつくる未来〜
       Forests for people and People for forests
    「木とともに生きる」をテーマにした実用的な本を作りたい。
    その本のタイトルは「森林本2011」。
    2011年は「国際森林年」なのです。
    せっかくだから、それをきっかけに、
    「木とともに生きる」暮らしを広めたい。
    それが「森林本」プロジェクトです。
    うちらアラフォー世代には、かつて存在した「週刊本」という
    本のタイトルが思い浮かぶかもしれません。
                関係はないけど、言葉の響きの部分で影響を受けてるかもしれません。
    それよりも、「森林本」という名前にしたいと思ったのは、
    以下のような理由です。
 
 まずは「森林本」という文字を分解してみましょう。
        
       木木木木木木一 

木が6本に、一。「本」という字の中の「一」は根っこを表します。
だから、「木」に一が入って「本」となると、根本という意味になります。
つまり書物としての「本」は、人間活動の根本を成すとか、支えるという意味なのです。
  
その「本」という漢字の元となった「木」が人間活動のさらに根本に位置することは
疑うべくもないでしょう。

「本末」という言葉がありますが、考えてみれば、
「末」という字にも「木」が入っています。
木は初めから終わりまで、人間活動の全てに関わるということなのでしょうか。

そういえば、「未」もそうです。
初めから終わりだけでなく、いまだ見ぬ「未来」にまで、
木は私たち人間を繋いでくれる存在なのです。

ほかにも「木」のつく漢字を考えてみましょう。
木の名まえはもちろんですが、

 休、集、根、札、業、案、某、柄、核、格、桁、条、棺、桶・・

木で作られたモノ、そうでないものいろいろあります。
衣食住から精神活動まで。そのくらい、木は太古の昔から人間と 
ともにあり、生活の深いところで私たちを支えてきました。

森林は私たち人間の生活の源であり、木を使う生活こそが、
人間らしい暮らしなのかもしれません。 

しかし、今、その森林は放置され荒れつづけています・・・・・


日本は森林国なのに・・・ 熊が出没する理由

日本の国土の約7割は森林で、森林の割合では世界で第2位です。
日本は資源のない国と言われますが、森林資源は豊富なのです。
石油など化石燃料が世の中の主流を占めるまでは、薪や炭などの木が日本の燃料でした。
なのに現在日本の森林の多くは放置され、活用されていないどころか、森が荒れてしまい、
様々な問題が起こっています。
木の生育が悪く、どんぐりなどの実が減っています。
このところ熊が里に降りてくるのは、食べ物を失ってお腹をすかせているからでしょう。
猿やカラスの問題も同様だと思われます。
また、森の土壌が薄くなり大雨が降ると洪水が起こりやすくなったりしているのも
森が荒れて保水力が弱まっているせいです。


石油から木へ  新しい時代の木材利用を
この背景には、先程述べたように、化石燃料への燃料革命や木造住宅の減少などの
ライフスタイルの変化、輸入材の増加によって国産材の利用が激減し、
日本の森が間伐などの手入れをされず放置されたことに原因があります。
地球温暖化ガスの増加は、まさにこの変化によってもたらされています。

私たち日本に住む住民は、今こそ木を利用する生活に移行すべきではないでしょうか。
アジア諸国の密林を破壊すると批難された「割り箸」も、国産の間伐材を使えば、
日本の森を守ってくれる便利な商品に変わります。
正しく木を切ることは「破戒」ではなく、「保全」から「再生」へのプロセスであることを
広めねばなりません。

「森林本」は、
「プラスチックやコンクリートだらけの生活から、もっと木を使う生活に変わらない?」
をコンセプトに、さまざまな情報を発信したいと思います。

もちろんプラスチックやコンクリートを全く否定するわけじゃありません。
プラスチックやビニールの質感や発色はデザインする上で欠かせないし、
雨の降る日は便利だし、何事も適度にということです。

高度成長期以降これまでは、あまりにも石油まみれな生活でした。
「コスト」とか「便利」とか、戦後日本人の好きだった言葉。これを追求し過ぎでした。
コストカットばかりしているとデフレも脱出できないしね。
便利になって時間を作ったところで仕事はない。
そんなに急いでどこへ行く、な時代でございますしね。

「森林本」では、
いま一度、石油の代わりとしての木材という存在に目を向けてみたいと思います。
単なる時代の逆行ではない、新しい時代の木材利用の方法を見つけるぞー。 

この「森林本」では、森林再生に繋がるさまざまな動きを紹介し、
サポートしたいと思います。

企画趣旨ここまで>>>

ちょっと、間で余談ですが、「炭」って字にはなぜか「木」という字が入ってないですよね。
もともと炭って山からとれる石炭のことを指したんじゃないかって言われてるそうです。
こんどちゃんと調べてみます。というわけで、

以下、「森林本2011」目次です

今の森林が抱える「問題点の章」とその「解決策の章」に分かれています。
一冊の本の表表紙と裏表紙を両A面みたいな形にツートーンカラーで製本して、
問題点からでも解決策からでも読めるようにしたいなあと思ってました。
じゃあ、真ん中には何がくるのかなあ・・・。

というわけで、目次です

        『森林本2010』
    石油から木材への回帰〜木を使う未来の暮らし
       
序章 木と人間の長〜い歴史 「木」という漢字から考える
      〜日本人は木と紙の家に住んでいる〜

     <あなたも無関係じゃない問題点の章>

第一章    森は泣いている〜放置される森林
      
       ○なぜ、里に熊が出没するのか、
         街にカラスが増えるのか?  
      ○里山と森の役割(地球循環図)
      ○林業の重要性

第二章    日本は森林資源大国
      
      ○森林率世界第2位、国土の7割が森林
     ○高い外材依存率
           
第三章 林業では暮らせない〜壊滅した林業

驚きの国産木材価格
  一軒の住宅に使われる木材の価格は?
      ○林業コストはこんなにかかる(林業図解)

第四章 林業で暮らしていくために
         
     林業コストを減らす試み
      ○1億円の施業設備1県1カ所運動
       ○皮むき間伐という試み




                   <あなたにもできる解決策の章>

   
  もっと木を使おう!森を楽しむ暮らし『森楽』
             (森が楽するでもあります)

第一章 昔はこれも木だった〜バックトゥーザ・3丁目の夕日
     戦後の燃料革命とコンクリートが変えた生活の風景

第二章 「木を使う」への誤解 〜割り箸は悪者か?

第三章    国産材を使おう 国産材が良いこれだけの理由

第四章 木を使い森林を守る新たな試み「森楽生活」
  
最大の木材利用:住宅
   *日本の伝統・木造住宅を見直そう
      *栗駒木材、天然住宅、ペレットストーブの循環
  ○金融の仕組みを森林再生に:NPOバンク天然住宅バンクの取り組み
     天然住宅を建てるための資金を出資するという形であなたも森を助けられる
    
○樹木一本全部使い切ろう!(一本使い切るイメージイラスト
    木のほうがオシャレ?
      *ワリカンの割り箸、竹割り箸
      *経木、ハンガー、いろんな間伐材商品
   *アロマオイル
  木炭は世界を救う
   *防災燃料、調理用、水濾過、土壌改良、オブジェetc.

  ○森を救う試み
    *高くても売れる「森林ノ牛乳」ほか

 ○燃料としての可能性〜バイオマス
                  木質ペレット、薪などのストーブ
     炭による発電

ほーんと「森楽」な日本になるといいですね!
そういえば、楽しいという字も「」が支えているのです。