2011年5月31日火曜日

今年は国際森林年:「森林本2011」って本作りませんか?眠ってた企画書

この火鉢クラブをやってる出島プロジェクトのブログhttp://www.dejima2010.com/には、
「森林本2011」という頁があります。
もっと木を使う暮らしを進めましょってコンセプトで、
このタイトルの本を作りたいと思い、この頁を作りました。
しかし、その後、私の生活も逼迫し、売れるかどうか分からない本の企画を
売り込んでる余裕が無くなってしまい放置状態になってしまっていました。
それに、冬場の木に関する活動は、この火鉢クラブの炭の活動に限定されてしまってたため、
今年国際森林年が半分終わろうとしている今の今まで、
この森林本企画は、顧みられなかったわけです。
ここらへんで、木も炭も森関連の活動はこちら火鉢クラブに集約しようと思い、
森林本2011の企画書をこちらに転載することにしました。
箇条書きのもくじを並べただけのへぼい企画書ですが、
興味ある方はご連絡下さい。dejima2010@gmail.com
字だけじゃ分かりづらいですが、天然生活風のグラビア入れた美しいムック本つうか、
写真で出てる商品はどこで購入出来るかを明記した、暮らしと社会派が共存した本に
ならないかなあと素人な発想をしております。
ただ、その後も生活は逼迫続きで、地震の影響モロ受けで、明日をもしれぬ身。
余裕がないのは当時と変わりません(泣)。
ただ、現在は「火鉢クラブ本」が先かと思ったりしてますが、
まあ、国際森林年内に限らずとも、来年でも、長い目で取材したいテーマであります。
本にせずとも、このブログのカテゴリとして「森林本2011」とりあえず追加します。
というわけで「森林本2011」企画書、前口上からです!

森林本とは何か?
        〜森と木がつくる未来〜
       Forests for people and People for forests
    「木とともに生きる」をテーマにした実用的な本を作りたい。
    その本のタイトルは「森林本2011」。
    2011年は「国際森林年」なのです。
    せっかくだから、それをきっかけに、
    「木とともに生きる」暮らしを広めたい。
    それが「森林本」プロジェクトです。
    うちらアラフォー世代には、かつて存在した「週刊本」という
    本のタイトルが思い浮かぶかもしれません。
                関係はないけど、言葉の響きの部分で影響を受けてるかもしれません。
    それよりも、「森林本」という名前にしたいと思ったのは、
    以下のような理由です。
 
 まずは「森林本」という文字を分解してみましょう。
        
       木木木木木木一 

木が6本に、一。「本」という字の中の「一」は根っこを表します。
だから、「木」に一が入って「本」となると、根本という意味になります。
つまり書物としての「本」は、人間活動の根本を成すとか、支えるという意味なのです。
  
その「本」という漢字の元となった「木」が人間活動のさらに根本に位置することは
疑うべくもないでしょう。

「本末」という言葉がありますが、考えてみれば、
「末」という字にも「木」が入っています。
木は初めから終わりまで、人間活動の全てに関わるということなのでしょうか。

そういえば、「未」もそうです。
初めから終わりだけでなく、いまだ見ぬ「未来」にまで、
木は私たち人間を繋いでくれる存在なのです。

ほかにも「木」のつく漢字を考えてみましょう。
木の名まえはもちろんですが、

 休、集、根、札、業、案、某、柄、核、格、桁、条、棺、桶・・

木で作られたモノ、そうでないものいろいろあります。
衣食住から精神活動まで。そのくらい、木は太古の昔から人間と 
ともにあり、生活の深いところで私たちを支えてきました。

森林は私たち人間の生活の源であり、木を使う生活こそが、
人間らしい暮らしなのかもしれません。 

しかし、今、その森林は放置され荒れつづけています・・・・・


日本は森林国なのに・・・ 熊が出没する理由

日本の国土の約7割は森林で、森林の割合では世界で第2位です。
日本は資源のない国と言われますが、森林資源は豊富なのです。
石油など化石燃料が世の中の主流を占めるまでは、薪や炭などの木が日本の燃料でした。
なのに現在日本の森林の多くは放置され、活用されていないどころか、森が荒れてしまい、
様々な問題が起こっています。
木の生育が悪く、どんぐりなどの実が減っています。
このところ熊が里に降りてくるのは、食べ物を失ってお腹をすかせているからでしょう。
猿やカラスの問題も同様だと思われます。
また、森の土壌が薄くなり大雨が降ると洪水が起こりやすくなったりしているのも
森が荒れて保水力が弱まっているせいです。


石油から木へ  新しい時代の木材利用を
この背景には、先程述べたように、化石燃料への燃料革命や木造住宅の減少などの
ライフスタイルの変化、輸入材の増加によって国産材の利用が激減し、
日本の森が間伐などの手入れをされず放置されたことに原因があります。
地球温暖化ガスの増加は、まさにこの変化によってもたらされています。

私たち日本に住む住民は、今こそ木を利用する生活に移行すべきではないでしょうか。
アジア諸国の密林を破壊すると批難された「割り箸」も、国産の間伐材を使えば、
日本の森を守ってくれる便利な商品に変わります。
正しく木を切ることは「破戒」ではなく、「保全」から「再生」へのプロセスであることを
広めねばなりません。

「森林本」は、
「プラスチックやコンクリートだらけの生活から、もっと木を使う生活に変わらない?」
をコンセプトに、さまざまな情報を発信したいと思います。

もちろんプラスチックやコンクリートを全く否定するわけじゃありません。
プラスチックやビニールの質感や発色はデザインする上で欠かせないし、
雨の降る日は便利だし、何事も適度にということです。

高度成長期以降これまでは、あまりにも石油まみれな生活でした。
「コスト」とか「便利」とか、戦後日本人の好きだった言葉。これを追求し過ぎでした。
コストカットばかりしているとデフレも脱出できないしね。
便利になって時間を作ったところで仕事はない。
そんなに急いでどこへ行く、な時代でございますしね。

「森林本」では、
いま一度、石油の代わりとしての木材という存在に目を向けてみたいと思います。
単なる時代の逆行ではない、新しい時代の木材利用の方法を見つけるぞー。 

この「森林本」では、森林再生に繋がるさまざまな動きを紹介し、
サポートしたいと思います。

企画趣旨ここまで>>>

ちょっと、間で余談ですが、「炭」って字にはなぜか「木」という字が入ってないですよね。
もともと炭って山からとれる石炭のことを指したんじゃないかって言われてるそうです。
こんどちゃんと調べてみます。というわけで、

以下、「森林本2011」目次です

今の森林が抱える「問題点の章」とその「解決策の章」に分かれています。
一冊の本の表表紙と裏表紙を両A面みたいな形にツートーンカラーで製本して、
問題点からでも解決策からでも読めるようにしたいなあと思ってました。
じゃあ、真ん中には何がくるのかなあ・・・。

というわけで、目次です

        『森林本2010』
    石油から木材への回帰〜木を使う未来の暮らし
       
序章 木と人間の長〜い歴史 「木」という漢字から考える
      〜日本人は木と紙の家に住んでいる〜

     <あなたも無関係じゃない問題点の章>

第一章    森は泣いている〜放置される森林
      
       ○なぜ、里に熊が出没するのか、
         街にカラスが増えるのか?  
      ○里山と森の役割(地球循環図)
      ○林業の重要性

第二章    日本は森林資源大国
      
      ○森林率世界第2位、国土の7割が森林
     ○高い外材依存率
           
第三章 林業では暮らせない〜壊滅した林業

驚きの国産木材価格
  一軒の住宅に使われる木材の価格は?
      ○林業コストはこんなにかかる(林業図解)

第四章 林業で暮らしていくために
         
     林業コストを減らす試み
      ○1億円の施業設備1県1カ所運動
       ○皮むき間伐という試み




                   <あなたにもできる解決策の章>

   
  もっと木を使おう!森を楽しむ暮らし『森楽』
             (森が楽するでもあります)

第一章 昔はこれも木だった〜バックトゥーザ・3丁目の夕日
     戦後の燃料革命とコンクリートが変えた生活の風景

第二章 「木を使う」への誤解 〜割り箸は悪者か?

第三章    国産材を使おう 国産材が良いこれだけの理由

第四章 木を使い森林を守る新たな試み「森楽生活」
  
最大の木材利用:住宅
   *日本の伝統・木造住宅を見直そう
      *栗駒木材、天然住宅、ペレットストーブの循環
  ○金融の仕組みを森林再生に:NPOバンク天然住宅バンクの取り組み
     天然住宅を建てるための資金を出資するという形であなたも森を助けられる
    
○樹木一本全部使い切ろう!(一本使い切るイメージイラスト
    木のほうがオシャレ?
      *ワリカンの割り箸、竹割り箸
      *経木、ハンガー、いろんな間伐材商品
   *アロマオイル
  木炭は世界を救う
   *防災燃料、調理用、水濾過、土壌改良、オブジェetc.

  ○森を救う試み
    *高くても売れる「森林ノ牛乳」ほか

 ○燃料としての可能性〜バイオマス
                  木質ペレット、薪などのストーブ
     炭による発電

ほーんと「森楽」な日本になるといいですね!
そういえば、楽しいという字も「」が支えているのです。  







2011年5月24日火曜日

提案:自治体で防災用に木炭の備蓄を

炭屋の知人と話していて、
「地方自治体で防災用に国内産の木炭とコンロの備蓄をやってくれれば、
国内産木炭の需要につながり、木炭需要が増えるということは、
里山の再生にも繋がるのではないか」という話がでた。
今回の震災の被災地でもある岩手は炭の産地なので、
まずは東北の炭から購入を進めてはどうだろうという話になった。
里山保全にもなるので、林野庁の後押しも欲しいところ。
(以下5行25日午前加筆)
炭屋の儲け主義と思われてはいけないので、加えて言えば、
防災用の炭は、炭屋を通さず、木炭の生産者から自治体が
直接買い上げる仕組みを作るべきだという。
あくまでも里山再生、炭焼き職人保護の立場である。
炭屋を通さないのは、炭相場を不安定にしないためでもある。
(加筆ここまで)

そこで、今日、自分の地元の自治体に別件で行く用事があったので、
上記の提案を文章にして、防災課に持って行ってみた。

ペラ1枚、提案という程のことでもないのだが、突然訪ねて、はずかしげも無く
以下の文章と「火鉢クラブ」のブログアドレスの書かれた名刺を渡してきた。


   
      地方自治体による防災用木炭の備蓄のすすめと
      夏休み親子防災教室:「炭火での調理を学ぶ会」の提案

 東日本大震災によって、緊急時の電気ガスなどのインフラの脆弱性が露になりました。
5月になった今も、温かい食べ物が行き渡らない被災地もあるとの報道が成されています。
温かい食べ物、ことに寒い地域において暖をとることは、被災直後の二次的犠牲者を減ら
すためにも重要なポイントとなります。そして、まだまだ日本国内における大地震の危険性
は去っていないのです。
 そこで、震災時の緊急用熱源として、木炭と七輪の自治体による備蓄を提案致します。
木炭は長期保存してもガス・液体燃料などとは違い保管が簡単で危険性が有りません。
また、自治体による定期的な木炭購入で、炭に使う間伐材等の利用も増え、里山保全に
つながると思われます。まずは、炭の産地である被災地岩手県の炭を○○区で購入することで、
被災地支援という形から、この木炭備蓄計画を始めてはどうでしょうか。

ただ、炭の使用については、常に一酸化炭素中毒や火災の危険性が伴うということで、
近年、使用が敬遠されてきました。そうして利用が激減したことで、
多くの人が正しい使い方を知らないままです。炭は、特に品質の良い国産の木炭は、
正しい使い方を知っていれば、極めて危険性の低い熱源です。それを周知するためにも、
上記の備蓄のすすめと併せて、炭火の正しい使い方のレクチャーを行えないかと思って
います。夏休みに、親子で参加出来る防災訓練として、寺の境内などを利用しての、
炭火と七輪による調理教室の開催を提案致します。


提出した文章は以上の通り。

火鉢クラブ主催の夏のイベントとして、災害緊急時に備えた木炭と七輪の使い方教室を
やれないかと思っていた所、自治体による木炭備蓄の話が浮上したため、
これは是非ともカップリングしてやるべきだと思い、急いで上の文章を書いて、
役所の人に持って行った。
今日は、担当者がいないということで、この紙と名刺を渡しといてくれるということ
だったが、果たして何らかのリアクションはあるだろうか。

対応してくれた職員の方によれば、わが地元自治体でも災害用のコンロと練炭の備蓄は
やっているようである。しかし、練炭の原料は石炭である。地球温暖化の問題を考えると、
ここは木炭に変えて欲しい所だ。木は二酸化炭素を吸って育つので、
燃やした時に二酸化炭素が出ても、プラスマイナスゼロ。
排出二酸化炭素量は増えないのだ。
職員の方にも、その辺伝えて、里山保全などにも繋がるので是非木炭に変えて下さい
と言っておいた。

森林の多い地域では、こうした災害用の備蓄燃料は木炭を採用している所も
もしかしたら多いのかもしれない。でも、今日の役所(都内)での話から考えるに、
都内の自治体の備蓄は練炭が中心なのではあるまいか。
そうなのだとしたら、練炭を採用している自治体のみなさん、
木炭備蓄を考えてはいかがでしょうか。

里山保全のために、定期的に炭を購入することを考えるのであれば、
備蓄した炭は、防災訓練や自治体のイベント等で利用し、
その都度買い替えていけばいいと思う。
この際、行政も、いろんな面での炭の効用(脱臭、吸着、熱源、ミネラル補給などなど)に
もっと目を向けても良いのではないかと思う。


岩手など被災地の炭を購入する被災地支援という形から
始めてはどうだろう。
このブログを読まれている林野庁の方、各自治体防災担当の方、いかがでしょう。

また、この提案になにか問題点があれば、そうした指摘も是非おねがいします。


 

                       

2011年5月6日金曜日

原木椎茸販売終了『ああ、商売は難しい』&『原木椎茸で里山再生』

昨日5月5日こどもの日に、谷中夕焼けだんだん上の中華料理店「深圳」前の広場で、
愛媛県内子町小田の原木椎茸を販売しました。

他に、雑貨屋さん2軒とパン屋さん(この日はケーキ類を販売)が一緒でした。
 参加されている方は、すでに店舗を持っている方、これから始めようとしている方など様々。

雑貨の
「東京キッチュ」http://www.tokyokitsch.com
店舗:東京都荒川区西日暮里4−27−7

「COCOKO」http://cocokoron.exblog.jp/ 

パン、ケーキは
根津のダイニングバー「あるたい」さんのハンドメイド
「あるたい」東京都文京区根津2−27−8

で、「火鉢クラブ」のお店はこーんな感じでオープン。
今回は原木しいたけのロゴも作成し、
かなり本気の原木椎茸アピールとなってます。もはや、原木椎茸は火鉢クラブの顔ですなw

火鉢クラブですから、当然炭火で椎茸を焼いてみなくてはいけません。
で、焼いてみたわけですが
今回、通りがかる人々が一番反応したのが、この椎茸を焼いてる匂いです。
火鉢クラブの面目躍如!

ほんとに良い匂いなんですよ〜。みんな何だろうと思って振り返ると椎茸!
矢野顕子の「ふりむけばカエル」ならぬ、「ふりむけばしいたけ」ですよ。

若い子も指差して、「あ、しいたけだあ〜」とか言ってましたから。
しいたけアピール度高し!

というわけで、「原木椎茸、キテる?」なんて思ったのですが、
現実を振り返ると、やっぱ、商売って難しいわ、が実感です。

椎茸とか単価の小さいものを売って生活して行くのって大変だよな〜と
お金を稼ぐという事にいまさらながらいろいろ考えるところのあった露天販売でした。

とはいえ、原木椎茸をアピールして行く事の意味みたいなもんとか、
面白さも発見出来た販売会でした。
では、その辺の感想も交えて、今回のレポートです。



<初の原木椎茸だけの販売〜商売は厳しい>

そもそも、火鉢カフェ開催時のみに販売していた原木椎茸でしたが、
今回は、はじめての椎茸単独販売でした。

今回とどいた椎茸はこちら。原木椎茸のとれる時期ももう終わりなので、
今回、なかなかこれだけの量を集めてもらうのは大変だったようです。
ほんとうに小田のみなさまありがとうございました。

やはり、時期もおわりなので、形も重さも随分ばらつきがあります。
当初は、大と小にわけて、◎個◎円で売ろうかと思っていたのですが、大と小のカテゴリーに分けるのも難しいと思い、グラム売りにしました。

でも商売としてはこれが失敗だったかもしれません。

これまでの火鉢カフェでの販売では、
袋詰めで送ってもらって袋単位で売ってたので利益も見えたのですが・・・。
一度全体の重さを量って、単位当たりの原価を出すべきでした。
箱から出して測っていると椎茸の傘がちぎれたりするので、あきらめて、
以前パック詰めで送っていただいた時の量を思い出して、だいたいで値段を決めたんです。

だから、100gの袋が何袋とれるのかがはっきり分からないままの販売開始となり、
儲けが出るかどうかは一か八かの賭け状態になってしまいました。
商売としてはあり得ないと思いながら、
前日夕方届いた椎茸を、丁寧に時間をかけて重さを量る余裕がありませんでした。

で、一か八かで臨んだ販売当日。
100g250円にしました。
上の写真の一枠に入っている椎茸が、100gですが、どうですか?
この量で250円は高いと思いますか?安いと思いますか?

この量だったら、スーパーで売っている198円くらいの菌床椎茸より
多いんじゃないかという気がします。
それを考えたら、格段においしい原木椎茸がこれで250円は安いと私は思うのですが、
まあ、売る側だから、おおっぴらにそうも言えません。


出島P火鉢クラブでは、卸価格を設定せず、
道の駅で売ってる値段で買ってそれを東京で販売してます。
そもそも道の駅って安いのですけどね。
ぶっちゃけ原価をバラしますと、だいたい普通の大きさので1個22〜23円くらいの感じ。
多分、今回の100g分は150円分くらいじゃないかと思います。
単純計算で100gあたりの儲けは約100円になるはずですが、
送料1050円で、まず10個分はただ働き。
あと、箱の中で割れちゃってるヤツとかをはじいて、試食分とか、売れ残りとか、
販売終了前の割引とかいろいろ換算すると、儲けってほんとに出すの難しいんですよね。

とはいえ、原木椎茸の育ち方を考えると1個25円弱っていうのは安すぎやしませんか?
原木椎茸って、収穫までに1年以上かかってるのです。
原価があがると、私の儲けはもっと減るわけですが、
そういうことより、ものの価値の評価として、25円は安いよなあと思うんです。
世の中どんなもん食べさせられてるか分からない時代に、
自然栽培、めちゃおいしい原木椎茸がこの値段って・・・。

そんなことを考えると、自分の儲けの話を別にしても、
これだけのしいたけを250円という値段で売るという事が
妥当だろうかと疑問に思えてくるのです。

ただ、今回、観光客も多い休日の谷中での露天販売ということで、

お客さんのターゲットが絞れないという部分もあり、
あんまり高いと売れずに余ってしまうかもな〜とも思いました。
お客さんの反応を見ていると、この250円という価格を、思ったより多くの方が高いと受け取られていたようでした。

もう少し高かったら、もっと余っていたかも・・・。


というのも、原木椎茸のおいしさというのは、まだまだ知られていないんですよね〜。

中には、原木と菌床の違いを知らないというかたもたくさんいらっしゃって、
「原木」ののぼりを見て、『「厚木」から来たんですか?』と勘違いされる方もいたくらい。

原木の良さを知らなければ、通常のスーパーなどでの菌床椎茸の値段を考えると
250円は高い気がしますよね。多分、そういう方が多かったのかなあ。
100gの量を確認して、やっぱりやめとくとおっしゃる方もいました。

一方、原木の美味さを知って、もうこっちしか食べれないという方もいて、
安いと言って800gまとめ買いしていかれていました。

一度食べていただければ、その違いは必ず分かってもらえると思うのですが、
まだまだ、原木椎茸とふつうの菌床椎茸の本質的違いって認知されていない。

今回から『原木しいたけ』というロゴを作って、
『原木』を強調した販売方法にしたのもそのためです。


『原木栽培』の椎茸を応援したいのです!



<里山を守る原木椎茸>


おいしいという理由だけではありません。
これは火鉢クラブの設立趣旨でもありますが、
炭にしろ原木しいたけ栽培にしろ、「里山再生」に役立つのです。
これまでにもこのブログで書きましたが、内子の原木椎茸栽培を行う原木は、
内子で菊炭の原材料になる「櫟(くぬぎ)」です。
原木椎茸は、火鉢クラブのシンボルマークである菊炭になる櫟の木から生えてくる。
そして、こうした産業で木を使う事が、里山の整備にも繋がり、
山の健康が保持されるのです。

パルシステムが、原木椎茸の販売を広く行っているのも、原木椎茸を生産する事が、
つまり原木を山から切り出す事が、里山の再生につながるという環境保護の観点からの
ようです。

ただ、私たち出島プロジェクトの火鉢クラブでは、
そうした自然保護の観点は当然の事ながら、
「楽しい」「オモロい」「うれしい」「わくわくする」という点にも
重点をおきたいと思っています。

笑顔を呼ぶ商売。
あくまでも「ふりむけば、しいたけ」の精神です!
しいたけに言われちゃしょうがない、しいたけのふりして笑っちゃうw

原木から椎茸が生えてくる姿のかわいらしさ、はたまた奇妙さ、森の不思議、
そして、焼けてくる時のいいにおい、ぷりっぷりの食感、もちろんしいたけを焼くのは、
もうひとつの森の恵み「炭」です!

<ふりむけばしいたけ>
♪悲しい わたし悲しい その時
「おいらを食いな」と声がして
ふりむけばしいたけ、その匂いはしいたけ
しいたけに言われちゃしょうがない
しいたけに言われちゃ笑っちゃうw


考えてみれば、私は子供の頃、椎茸が嫌いでした。
それが食べられるようになったのは、
25歳くらいのとき、テレビディレクターとして旅番組の仕事で行った出雲の宿で、
裏庭の原木椎茸を「焼き」と「天ぷら」で振る舞われた事がきっかけでした。
しいたけってこんなに美味いものだったのか・・・。
それ以来、しいたけ大好きです。
たしか、出雲・立久恵峡が目の前に見渡せる温泉宿だったよなあ。
五右衛門風呂があって、娘さんが薪を入れて焚いてくれた。
今考えれば、まさに火鉢クラブな宿だったのだった。宿の名まえを失念。
その時のビデオもとってなくて・・・。大仏の横顔した奇岩もあって、いいところでした。

話が逸れてしまいました(汗)。

椎茸販売の話に戻しますと、
結局、今回送ってもらった椎茸の85%くらいが
ちゃんとお客さんの手元に渡っていったんじゃないかと思います。

15%は、試食に出した分、箱の下の方でひしゃげたりして売り物にならなかった分
(売り物にならなかったしいたけは、七輪の上で焼かれて、匂いをいっぱい出してくれました)。
あと、自家消費分として200g。
純粋な残りは、こうして干し椎茸にするべく天日干し中です。これも後日販売出来るか?

で、最後にもう1枚の写真を紹介。
今回は、谷中の深圳前で場所を固定して販売しましたが、
ここまでの移動はこのような形で行いました。ほとんど行商スタイル。

小さい子どもが二人乗れるバギーを借りて、荷物を載せたのですが、
これが結構、様になってると思いませんか?
ただ、夕方になってこのスタイルで谷中周辺を一回りしたのですが、
怪しいと思われたのか、一個も売れませんでしたw
もとの場所に戻って、止まって売ってたら、少し売れました。
行商は、やはり、毎日根気づよく歩いて、認知してもらって、
お得意さんを作っていかないとダメですね。

とはいえ、この行商スタイルなかなか気に入ったので、
原木椎茸が出始める次の秋には、このスタイルで挑戦してみようかなあ。

また、「原木椎茸」と「菌床椎茸」の違いや、
「原木椎茸と里山再生の関係」などについては、あらためて書きたいと思います。

2011年5月4日水曜日

目印はこのマーク!明日5月5日(祝)谷中で愛媛県内子町小田の原木椎茸販売!

いよいよ明日に迫った原木椎茸販売。目印はこのマーク!

販売場所:谷中夕やけだんだん上 
                          中華「深圳(しんせん)」軒先
               荒川区西日暮里3−14−13
                     最寄り駅 JR日暮里駅、メトロ千代田線千駄木駅
                                             詳しい場所は、こちらのチラシ(←クリック)の地図をご覧下さい

        販売時間:午前11時〜午後5時頃
               (商品がなくなるまで)