2013年10月12日土曜日

金沢能登の旅その② 能登は広いよ…今回珠洲までたどり着かず


前回の金沢の桐火鉢に続き、今回も火鉢クラブらしく、珠洲の珪藻土七輪について書こうと思っていたのですが、その前に、珠洲までの道のりについて書いとこうと思います。

さすが、あの大きな能登半島の先まで行こうとなると、交通機関が少ないだけに、結構大変なのです。その大変さ無しに能登は語れない。

金沢を出た私たちは七尾で一泊して、翌朝、のと鉄道でまずは穴水に向かいました(下にスクロールすると地図があります)。なんと、のと鉄道の車体はこんな萌え電車でした。


かつては珠洲の蛸島が終点だったのと鉄道も、今では穴水が終点。それから先はバスに乗り換えねばなりません。
今時、珠洲へ行くとなったら、東京から能登空港へ直接飛ぶか(空港からはふるさとタクシーという乗り合いの安価なタクシーがあります)、金沢から高速バスで一気に行く。もしくはレンタカーを借りるか、団体旅行の観光バスでしょう。
穴水で高速バスに乗り換える人なんているんでしょうか?
でも、のと鉄道に乗ったからこそ、この萌え電車にも出会えたんですよね。あ、そうそう。のと鉄道の車内からは穴水の有名な「ボラ待ちやぐら」も見えました。

今回、なるべく公共交通機関を使って行くことにしていました。それに、せっかくだから、途中一カ所くらいは海の見える気持ちのいい場所で下車したい、ということで、以下の地図に書いたような不思議な経路となりました。

前日、金沢よりJRで七尾に入り、翌日は七尾からのと鉄道で穴水まで向かいます(穴水に行く手前には有名な和倉温泉もあり、そこまではJRも繋がっています)。そして、終点穴水から先は高速バスです。しかしこの高速バスの乗り場は駅前ではないのですね。タクシーで5分くらいかかる場所ということで、事前に列車の到着時間に合わせてタクシーを予約しておきました。で、駅からちょっと離れたバス停に移動し、待つこと10分程。バスはやってきました。
なぜ、七尾からバスに乗らないかって?七尾にはこの高速バス、通っていないのです。

高速バスはたいてい能登空港を経由します。私たちが乗ったバスの路線も、まずは内陸の能登空港に向かい、そこから再び海岸沿いに出てきました。内陸をずっと行くバスもありますが、海が見たかったので、海岸沿いを走るバスを選びました。「選んだ」と言っても、午後早めに珠洲に着こうと思ったら、このバスしか選べません。

この高速バスの終点は珠洲。最終目的地、湯宿さか本があるところです。しかし、私たちは海に近い宇出津というところで一旦バスを降り、そこからタクシーに乗って「波並」というところに向かいました。先に書いたように、一カ所くらい海の見える気持ちのよい場所に立寄りたかったからです。

海はキラキラ輝いて、水平線は一直線、薄い青と濃い青のツートンです。

この波並にはかつて「さんなみ」という有名な民宿がありました。この波並の両隣には矢波と藤波という場所があり、この3つを合わせて「三なみ」ということから名前をつけたそうです。現在はフラットベーカリー、10月より改め「能登パン」というパン屋さんになっています。

 ちなみに、民宿「さんなみ」はその後、矢波の海を見晴らす場所に移ったのですが、一昨年、ご主人が体調を崩されて引退。惜しまれながら閉店しました。現在、矢波の宿はイタリアンを出すお宿「ふらっと」として娘さん夫妻が営業を続けています。上のベーカリーの写真に写っているのがご主人。イタリアンのシェフです。


ベーカリーは海岸沿い、遠く海の向こう側に立山連峰を見渡す気持ちのいい場所。以前はここにバス停と待合所らしき掘建て小屋がありました。それがとっても可愛らしくて、観光パンフの表紙にもなっていたのですが、台風などで徐々に壊れ、結局、撤去されてしまったようです。残念。

この気持ちのいいパン屋さんのカフェで、海を見ながらランチ休憩してから、再びタクシーで珠洲に向かうことにしました。






こうして途中下車するとなると、交通機関の少ない能登半島では、やはりタクシーは使わざるを得ません。バスを乗り継ぐと、その日のうちに目的地には着けなくなる可能性もあります。それが能登半島の先っちょ、珠洲というところ。金沢からタクシーで行くと5万円はかかる距離です。

都合の良い所までバスや電車で行き、最後の部分だけタクシーに乗ってワリカン。このタクシー部分をいかに減らして、行きたいポイントに寄るかが、旅の計画の腕の見せ所。レンタカーで行けばそんな心配はありませんが、今回の旅人3人中、一人しか免許を持ってなかったので、公共交通機関を使いました。しかし、そのほうが写真は撮れるし、途中、タクシーの運転手さんの話も聞けて、いろんな旅の醍醐味を味わえます。

今回の運転手さんは、私たちが東京から来たと知ると、栗が拾えるスポットに連れてってくれました。道路にイガイガがごろごろ。でも既に中身は取られて空っぽ。


見上げると、まだ枝に栗が・・・

近くの草むらを覗くと、まだ実が入ったイガイガが落ちています。そんなのを見つけ出して集めたら、30粒くらいは集まりました。柴栗という種類の小さな栗です。
  

その運転手さんは、栗を拾った後、なぜか下の写真のキリコを模した橋に連れてってくれました。
キリコといえば能登の代表的なお祭りで使われる巨大な燈籠ですが、これはそれを象った橋。ふるさと創世かなんかの1億円で作ったそうです。運転手さんは、それを批判的に語るでもなく、本気で「見せたい」と思って連れて来てくれたようです。けれど、今回の旅のメンバー全員報道番組経験者というのもあり、微妙な感じ。でも、キリコは能登の人たちにとって自慢の祭りなのだなというのは伝わりました。いつか、本物のキリコ祭りを見に来たい!

というわけで、タクシーはその後、珠洲の宿、さか本まで向かったのでした。
そうそう、その運転手さんは、自宅の庭でとれたといういちじくもくれました。甘かった。

次回こそ、七輪の話書くぞ〜!


「ふらっとベーカリー」改め「能登パン」














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